最近よく読んでいる新谷先生の本に、「お茶が体に悪い」とあったのでびっくりしました。お茶には「カテキン」が多く含まれていて、体に良いとされているはずだっただからです。
早速どんな内容か読んでみました。
「病気にならない生き方」より
新谷先生曰く、カテキンの豊富なお茶を毎日飲み続けた日本人は、胃の状態がとても悪いのだそうです。
お茶の先生など仕事で大量のお茶を飲んでいる人には、胃がんの前駆症状ともいえる萎縮性胃炎を起こしている人も少なくないのだとか。意外ですね。
では、胃や腸を悪くするようなものが、なぜ健康にいいともてはやされているのでしょう。それはその食品に含まれる一つの成分の効能しか見ていないからだといいます。
お茶の成分について
確かに緑茶にはカテキンが多く含まれており、そのカテキンには殺菌効果や抗酸化作用があります。そのため日本茶をたくさん飲んでいれば長生きするとか、がんの予防につながるというストーリーが生まれたのです。
お茶に含まれるカテキンが、抗酸化作用をもつポリフェノールの一種であることは間違いありません。
一方、お茶には「タンニン」も多く含まれています。タンニンというのは、植物がもつ「渋み」成分であることから、日本では昔から「渋」と称されてきました。柿の「渋」もこのタンニンです。タンニンは非常に酸化しやすい性質をもっており、熱湯や空気に触れることによって、容易に「タンニン酸」に変化します。そしてタンニン酸には、タンパク質を凝固させる働きがあります。こうしたお茶に含まれるタンニン酸が、胃粘膜に悪い影響を及ぼしているのだと考えられます。
残存農薬のもたらす危険
新谷先生の本によると、お茶がもたらす危険はそれだけではないといいます。
現在市販されているお茶の多くは、その栽培過程で農薬が使われていることが指摘されています。
残存農薬やタンニン酸、さらにカフェインの影響を考えると、お茶を水代わりに飲むのはお勧めできません。どうしてもお茶が好きな方は、無農薬栽培の茶葉を使い、比較的胃粘膜に負担がかからないように空腹時を避け、食後に飲む。そして一日2、3杯程度にとどめるようにしてください。
「健康食品神話」の危うさ
お茶が必ずしも体に良いものではないこと自体にも驚かされましたが、このような「健康食品神話」が生まれるのは「食品に含まれる一つの成分の効能しか見ていない」ためである、という指摘に目からウロコの思いでした。
赤ワインも同様です。ポリフェノールが多く含まれているため、健康食品の代表のように言われ、大ブームになった赤ワインですが、最近では「酸化防止剤」が多量に含まれていることが指摘されています。
牛乳もまたしかり。健康に良いとして毎日飲むものと思ってきた人も多いかと思いますが、市販の牛乳や乳製品には過酸化脂質が多く含まれており、体への良くない影響があると言われています。
赤ワインと牛乳については別に書いてみたいと思っているので詳細は省略しますが、食品に含まれる多くのうちの一つの成分がことのほか強調されて、健康に良い食品としてマスコミなどに取り上げられると翌日その食品がスーパーの棚からなくなるほどだといわれます。
「健康食品神話」にめったやたらに飛びつくことは避け、慎重に体に良い食品に関する知識をしっかりと蓄えていくことが大切なのだと、改めて実感しました。
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