活性化酸素が体に良くないことは、別の記事「活性化酸素が良くないのはなぜ?活性酸素を減らす6つの栄養素」でもご紹介しました。
今回は抗酸化に効果のある栄養素とその栄養素を多く含む食品についてもう少し詳しく紹介します。
ビタミンC
一般的にビタミンは、抗酸化作用を含め本来の作用として体の代謝に関わっており、色々な酵素を活性化させます。その酵素を助ける役目の「補酵素」としての働きがあります。
ビタミンCの生理作用には、
・ コラーゲンを作ることを促す
・ 免疫力を高める
・ 感染に対する防御力を増加させる
・ 肌の美白効果
といったことがあります。
<多く含まれる食品>
・ 緑黄色野菜
・ 淡色野菜
・ イモ類
・ 果物(イチゴ、ミカンなど)
・ 緑茶
ビタミンE
動脈硬化や心臓病の発生を予防し、赤血球の膜を安定させます。また、肌の小ジワ、シミなどを予防します。
体内で細胞膜の大事な成分である不飽和脂肪酸の酸化を抑える働きもあります。
<多く含まれる食品>
・ 植物油(オリーブオイルなど)
・ 魚卵
・ 緑黄色野菜
カロテノイド
700種以上のカロテノイドが発見されています。
黄色、オレンジ色、赤色など植物の色の元となる色素です。
① リコピン
強い抗酸化作用を持ちます。
<多く含まれる食品>
・ トマト
② ルテイン
老化に伴う目の網膜の病気(加齢黄斑変性)や白内障の予防に効果があるとされています。「ゼアキサンチン」という成分も同様です。
<多く含まれる食品>
・ ホウレンソウ
・ ブロッコリー
・ カボチャ
③ アスタキサンチン
赤い色素物質で、もともとはカニやエビの殻に含まれます。またそれを餌とする魚にも含まれます。抗酸化作用があることや、炎症を抑えたり免疫反応を強くすることなどが分かっています。
<多く含まれる食品>
・ サケ
・ タイの皮の赤い部分
・ イクラ
④ その他ビタミンAに返還されるグループ
主なカロテノイドは「β(ベータ)カロテン」です。体内に入ってレチノール(ビタミンA)として作用します。
<多く含まれる食品>
・ ニンジン
・ カボチャ
・ ホウレンソウ
ポリフェノール
心臓病、がん、アルツハイマー病などの臨床試験に予防効果があったことが報告されています。
ただし、ポリフェノールが「多く」含まれている食品を妊娠中の女性が多く食べると、赤ちゃんの心臓の血管に異常が出るかもしれないという臨床研究結果がブラジルから報告されています。症例数が少ないため、今後の調査によっては否定される可能性もありますが、少なくとも現時点では妊娠中の女性はあまりたくさん摂取しない方が良いかもしれません。
ポリフェノールという名前は一種のグループ名で、特定の化学物質を意味するものではありません。ポリフェノールの中に、多くの抗酸化作用をもつ物質があります。
<多く含まれる食品>
・ アントシアニン(ブルーベリー、ラズベリー、黒豆)
・ カテキン(お茶、チョコレート)
・ イソフラボン(大豆)
・ リグナン(ゴマ)
イソチオシアネート類
がんを抑える作用、炎症を抑える作用、胃がんの原因となるピロリ菌を抑える作用などがあります。
<多く含まれる食品>
・ スルフォラファン(ブロッコリー、キャベツ)
・ アリルイソチアネート(ワサビ、ダイコンの辛味部分)
アリシン
炎症を抑える、がん細胞を抑える、血圧を下げる、血液をサラサラに保つ(血小板凝集を抑える作用)などの働きがあります。
ビタミンB1がアリシンと結合すると、アリチアミンとなって体に吸収されやすくなります。また、ビタミンB1を体に蓄えることができるので、効果が長続きして疲労回復にも役立ちます。
<多く含まれる食品>
・ ニンニク
・ タマネギ
・ ニラ
・ ネギ
セレニウム、亜鉛、マンガン
これらの物質は直接的な抗酸化作用を持ちませんが、その酵素を助ける役割を担っています。
<多く含まれる食品>
・ セレニウム(肉、シーフード、穀類、ナッツ、ブロッコリー、ニンニク)
・ 亜鉛(牡蠣、肉の赤身、ナッツ、全粒穀物)
・ マンガン(ショウガ、日本茶、穀類、ナッツ、シソ)
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