普段気になっている有機栽培・オーガニックを知る 無農薬との違いは?

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食材は、なるべく体によいと思われるものを購入するようにしています。例えば食品表示ラベルを確認して原材料を確認する(以前の記事「食品表示ラベルの見方」を参照ください)、地産地消の考え方に合うようになるべく産地の近いものを選ぶ、などなど。本サイトをご覧の方も、「有機栽培」や「オーガニック」の表示も、あるとついそちらを選んでう、という方も多いのではないでしょうか。

でもそもそも「有機栽培」や「オーガニック」ってどのようなものなのか、どのような基準があるのか、あまり気にしたことがない方もいらっしゃるのではないかと思います。

今回はその有機栽培・オーガニックについて、また無農薬との違いについても併せて考えてみたいと思います。


そもそも「有機栽培」とは

コトバンクによると、「有機栽培」「オーガニック」とは「化学肥料や農薬を控え、有機肥料などを使って農作物や土の能力を生かす栽培法」という意味です。

厳密には、有機農産物について定めるJAS法で次のように定義されています。

「化学肥料や化学農薬、化学土壌改良資材の使用を中止してから3年以上(単年生作物は2年以上)経過して、たい肥などによる土作りを行った農地で栽培された農産物のこと」

単年生作物とは、種を撒いてほぼ1年以内に収穫できる農作物のことです。例えばメロン、スイカ、ホウレンソウ、トマトなどがその仲間になります。

つまり、これらの単年生作物の場合は種を撒く、苗を植えるなどの段階で2年以上、それ以外の作物は3年以上、化学肥料や化学農薬などを使用せずに、たい肥などのいわゆる有機肥料で土づくりをした田んぼや畑で栽培された農産物を、有機農産物と呼ぶのです。

「化学土壌改良資材」とは、農作物の栽培に適した土壌にするための化学変化をもたらすことを目的で土地に撒くなどされるものです。 (1) 石灰,ケイ酸質資材 (酸性矯正) ,(2) リン酸資材,(3) 含鉄資材,(4) 人工土壌改良剤 (クリリウムなど) などが該当します。

もちろん、有機農産物の栽培中は、化学合成農薬や化学肥料の使用をすることはできません。

農林水産省の発表による2011年度の日本国内で収穫された有機農産物は全生産量の0.24%だったとのことです。

「有機JASマーク」とは

お店で販売されている食品に「有機」や「オーガニック」という表示をするためには有機栽培されているという認定を受ける必要があります。この認定のための有機の定義は、JAS法によって厳密に定められています。

この認定を受けた食品は、有機JASマークを表示することができます。

例えばこんな感じです。

農林水産大臣の許可を受けた登録認定機関の審査を通過した農産物だけが、有機農産物と認定され、有機JASマークの表示をすることができます。

申請時だけでなく、認定後も毎年調査が行われます。とても厳しいですね。

上の写真の食品は、原産国がフランスになっています。外国産の食品についても、日本の規格である有機JASマークを表示することができます。

外国産の食品であっても日本で有機JAS規格の認定を受けることができます。むしろ認定を受けなければ有機JASの表示および「有機」、「オーガニック」などの表示はできません。JETROのホームページに詳細の記載があります。(参考:JETRO貿易・投資相談Q&A>有機商品の表示制度

有機栽培と無農薬栽培

最後に、有機栽培と無農薬野菜栽培との違いも押さえておきましょう。

有機栽培イコール無農薬栽培ではありません。

有機栽培とは、「化学的に合成された肥料や農薬」を使用しない栽培のことですので、農薬そのものを使用しないという意味ではないのです。

有機JAS規格では、「農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合であって、耕種的防除、物理的防除、生物的防除またはこれらを適切に組み合わせた方法のみによっては、ほ場における有害動植物を効果的に防除することができない場合」、有機栽培でも使うことのできる農薬を定めています。

因みに、現在では「無農薬」「減農薬」といった商品への表示は認められていません。2004年4月以降は、農林水産省の「特別栽培農作物に係る表示ガイドライン」により「特別栽培農産物」という呼称に統一されました。

現行の「特別栽培農産物」の基準は、その農産物が生産された地域で慣行的に行われている栽培と比較して、農薬や化学肥料の使用を50%以下に減らした農産物を指します。

このように聞くと、「特別栽培農産物」なんて感覚的に分かりにくいし、無農薬と減農薬、ゼロとそうでないものとの違いが分かりにくいなーと感じられる方も多いのではないかと思いますが、従前の「無農薬」という表示が規制されていなかったころ、実際には無農薬といっても以前の残留農薬や近隣の農地で使われている農薬が検出されたり、虚偽の表示も少なくなかったため名称の変更が行われたそうです。

いかに化学肥料や農薬を一切使わない農産物の生産が難しいか、考えさせられますね。

食の安全は絶対に必要ですが、安定した食料の供給、安定した農業の営みを考えるととても難しい問題です。有機栽培や特別栽培の農産物が高価になるのもやむを得ないことなのですね。

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