薬は体にとって「毒」? 〜胃薬が体に悪いわけ〜

カラダに悪い食べモノ

薬、好きな人いますよね。
風邪気味だったり胃の調子が悪かったりすると、すぐに薬を飲む人。私もかつては毎日のように医師に処方される薬や市販の胃薬を飲んでいました。

しかし今では、薬はすべて基本的には身体にとって「毒」だと思ったほうが良いと考えています。

かつて薬をせっせと飲んでいた私は薬が病気を治すと誤解していました。薬はどうしようもないとき一時的にやむを得ず使うもので、薬自体は病気を治しません。それに気づいたのは食生活を正してからでした。病気を治すのは薬ではなく自分の身体だったのです。

胃酸の大切さ

胃薬は、胃酸を抑える働きが高いものです。
「胃酸過多」などとも言われ、胃酸は不快の原因として嫌われる傾向にありますが、はたしてそうなのでしょうか。

胃にはさまざまな食物とともにばい菌が入ってきます。食事のたびに胃に入ってくるばい菌の数は三千億とも四千億とも言われているそうです。それほどに膨大な数のばい菌を、胃液に含まれる強酸がその大部分を殺してくれているのです。

体を守るために必要不可欠なその胃酸を薬で抑えてしまったらいったいどうなるでしょう。胃をフリーパスしたばい菌の中にもし毒性の強いものがあれば、下痢をはじめさまざまな病気を引き起こしてしまいます。

胃酸の分泌が妨げられることによる弊害

その他、胃酸の分泌が抑えられてしまうと、消化酵素を活性化させるペプシンや塩酸が不足し、消化不良を起こしてしまうのです。また、十分な胃酸がないと鉄分やカルシウムなどのミネラルの吸収が阻害されます。胃潰瘍や胃がんの手術を受けた人は必ず貧血を起こすと聞きますが、それは胃を切除したことによって胃酸が分泌されなくるからです。

さらに、胃酸を抑えてしまうと、腸の中の細菌バランスが崩れ、免疫力が低下してしまいます。人間の腸の中には約三百種、百兆個といわれる膨大な数の腸内細菌が住みついていますが、その中にはビフィズス菌などのいわゆる「善玉菌」も、ウエルシュ菌のような「悪玉菌」も含まれています。腸内細菌の中で大多数を占めているのは、中間菌といわれる、もともと善玉でも悪玉でもない菌です。これらは腸内に善玉菌が増えれば善玉菌になり、悪玉菌が増えれば悪玉菌になる性質をもっています。善玉菌と悪玉菌のバランスが、腸内環境のよしあしを決めているのです。

胃酸が不十分だと腸内環境が悪くなる

胃酸の分泌が不十分だと、消化酵素が活性化できず、食べ物は消化不良の状態のまま腸内に残存してしまいます。人間の腸内は37度近く、これは真夏の暑さに匹敵します。想像してみてください。そんな環境に食べ物のカスが残っているのですから、当然のごとく腐敗・異常発酵が起きてしまいます。これにより腸内では悪玉菌が異常繁殖し、免疫力が低下してしまいます。そのようなところに、さらに胃で食い止められなかったばい菌が入り込んでくるのですから、具合が悪くならないほうが不思議なくらいです。

もちろん、深刻な病気の治療のために、薬を服用しなければならない状況もあります。しかし、ちょっと胃が気持ち悪い、程度の状況で安易に胃薬に頼ってしまうのは、あまりにも胃がかわいそうです。酵素を多く含む消化の良い食事を少量とる、または食事を抜いて体をゆっくり休めることが大切です。

参考:

(文庫)病気にならない生き方 (サンマーク文庫)

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